産業学会 The Society for Industrial Studies, Japan

産業学会とは

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 産業学会は、1972年に発足した全国的な研究グループである「産業研究会」を継承し、1975年に設立されました。1987年までは全国研究会を年2回開催していましたが、1988年からは年1回の全国研究会と東部、中部、西部の3つの地方研究部会をもつようになりました。現在、自動車産業研究会(東部と中部)とイノベーション研究会も設けられております。

 産業学会の特徴の一つは個別産業の研究を重視してきたことにあります。設立当初には素材型産業が主要な分析対象でしたが、1980年代に入ってからは、自動車、家電、電子機器、半導体、情報関連産業、ソフトウェア産業、光産業、医薬、医療など、広範な産業分野にわたって分析が行われ、全国研究会の自由論題と地方研究部会は若手研究者の意欲的な研究報告の場となっています。全国研究会の共通論題では、1980年代後半以降、産業の国際化・グローバル化と国際分業の問題が焦点となっており、2000年に入ってからは、「東アジア地域における経済改革の展開」(2000年度)、「21世紀における国際的産業再編成の方向」(2001年度)、「アジア産業ネットワークの新展開」(2002年度)がテーマとなっています。また、1998年度の共通論題「イノベーションと産業システム」にみられるような技術革新プロセスの分析や、2003年度と2004年度の共通論題「産業集積の新しい動向と日本産業の再生」、「地域産業政策としての産学連携」のように、産業のグローバル化のもとでの地域経済(とりわけ地域の産業集積)の動向も課題となっています。また、2005年度の共通論題は「日本企業の将来像」、2006年度は「急成長するアジアの自動車産業」でした。2008年度は、「日本の持続的成長と産業再編」、2009年度は「金融危機と日本産業の方向性」をテーマに、持続成長と金融危機への対応を中心に検討を重ねてきた。2010年度は急成長を続ける中国に焦点を絞って、「成長を続ける中国経済:進む産業高度化と民族企業の成長」をテーマに議論を行った。2011年度は今後日本の産業競争力を維持していくための方策を探るとし、「日本産業の競争優位と競争劣位の総点検」をテーマに全国大会を開いた。産業学会では、このように日本とアジア地域をはじめとする世界の産業動向をフォローするなかで、産業研究の方法について討議するとともに、大学における産業関連の専門教育のあり方についても意見交換の機会をもってきました。

 産業学会の刊行物としては、1986年から『産業学会研究年報』が出版されています。また、1995年に東洋経済新報社の創立100周年記念事業として刊行された『戦後日本産業史』は産業学会の編集です。